はっきりいえば、スカッシュは日本人に向いている競技だといっていいです。うまくいけばオリンピックごとにメダル候補がでてきます。
ただ今はスカッシュ環境や、裾野が狭いから世界的に活躍している選手が少ないだけ。
現状を説明すれば、国内男子については世界で大活躍しているレベルのプロ選手は存在していません。でも知識も技術もあるし、レベルや選手層は間違いなく上がってきています。
スカッシュがオリンピック競技に早く決まって良い素材が入ってくれば世界ランキングに入る可能性はあります。国内ジュニアも増えているので大化けする選手がいるかもしれません。
この数年、日本の女子で群を抜いているのが小林海咲選手。今は世界で戦っています。
国内ダントツ最強の彼女でさえ、現状では女子スカッシュ史上最強のニコル・デービッドには実力的に遠い。世界ではベスト20にも入っていません。でも頑張ればもっと強くなると思います。早くベスト16ぐらいに入って欲しい。
もちろんテニスのノバク・ジョコビッチにのように1日14時間、練習、トレーニング、相手分析、食事管理をするレベルじゃないと小林海咲選手がメダル候補に入ることは難しいでしょう。
ジュニアで期待されているのが渡邉聡美選手。スカッシュ強国のマレーシアで主に練習をしており世界的なジュニア大会でも上位クラス。国内のスカッシュ関係者にとっては大きな期待を集めています。
そんな彼女でもこの1〜2年で小林海咲選手に一度も勝てない、となるとメダルは厳しいと思います。大学チャンピオンの杉本梨沙選手や他の選手も同様です。
オリンピック競技になる=世界的に選手層が厚くなる=今よりもはるかにレベルが上がってくる。
東京オリンピックの1回目はチャンスがあると思います。それでもニコル・デービッドの全盛期でもメダルをとれるかどうかってことになるでしょう。
女子ラグビーがオリンピック競技採用で身体能力の高い人達が、他競技からどんどん転向してきました。
スカッシュには適性がありますから、身体能力高い、運動神経が良いから活躍できるようになる訳ではありません。
でも今は選手レベルが国内男女各数人。それが100名レベルになる可能性もあります。数十名でもすごい選手層になります。
本当に身体能力が高くて、スカッシュに適合して、さらに365日、今いる国内選手よりもはるかにトレーニング、練習する選手と良いコーチが出会えれば一気に日本人スカッシュ選手がクローズアップされます。
今いる選手と新しく入ってくる選手とが切磋琢磨する。お互いどんどん伸びていきます。
国内も上がりますが、世界中の選手レベルが上がる訳ですから、東京ではメダル候補があらわれるかどうかわかりません。
でも卓球やバドミントン、テニスのごとく毎回メダル候補がでてくる競技になるはずです。頭を使う日本人にはあっている競技です。
関係者のみなさん、中長期的にみて、スカッシュをオリンピック競技に!
もちろん個人的に東京オリンピックでも期待しています。
ガンバレ日本。
写真はNicol David